介護職の仕事で大切なこと

介護職は、福祉サービスや保険医療サービスなどを受けた利用者の身の回りの世話をすることや自立支援を促します。これには単に介護をするだけでなく社会全体で利用者を支え自立を助けるという目的があり、利用者がより暮らしやすい環境をつくる必要があります。

利用者にとって生活しやすい環境づくりをするには生活面のサポートだけではなく、精神面のサポートも重要です。ときに介護士は利用者と家族より長い時間を過ごすこともあるでしょう。その場合は、より身近な関係となるため精神面のサポートや両者が良好な関係を築くことは欠かせません。特に利用者が高齢である場合は体だけでなく精神的な変調も起こしやすくなります。65歳以上の高齢者が引き起こしやすいうつを老人性うつといい、このうつは特に環境や心理的なものに影響をうけ発症することが多いようです。

老人性うつは頭痛やめまい、食欲不振、肩こり、しびれなど症状を訴えることもありますが、検査を受けても異常が見当たらず原因がわからないまま本人も家族も悩むことがあります。このような場合は病院でもはっきりとした診断ができないため適当なケアや処方をすることが難しいのです。そのため症状を緩和するには精神的なサポートやフォローが必要になります。身近に関わる介護士は利用者にとって大きな影響を与えるため、細やかな気配りや配慮が必要です。介護をする上で大切なことは単に利用者とコミュニケーションをとるだけでなく、コミュニケーションのなかから体調や精神面の変化にいち早く気づくことです。そのためには普段から利用者と良好な関係を築くことや観察力を養うことが重要でしょう。